ベストベンチャー100カンファレンスに参加してきました
※当記事は、2018年9月に投稿した、ステラアソシエHP内のブログ記事を移管しています
第3夜
新規事業コンサルタントの保木です。
9月3日、明治記念館で開催された、「ベストベンチャー100カンファレンス」に招待いただき、参加してきました。
この会は、ベストベンチャー100に選ばれた企業を中心に経営者が集まり、親交を深めるという内容です。
サイバーエージェント(以下SA)藤田社長が講演されるということで、行って参りました。
講演内容は、ベンチャー企業の採用活動についてです。
面白かった話を載せます。
・藤田社長が新卒で入社したインテリジェンス(現在のパーソルキャリア。当時数十名程度)が、人材派遣業の後発参入でも勝ち残れたのは、価格や事業内容ではなく、優秀な人材を採用し、そういった人たちががむしゃらに働いていたことが大きかった。単純に、それが競争力になると感じた。
・日本は新卒一括採用なので、優秀な人は新卒でとらないと放出されないから中途頼りは厳しい(かくゆうSAは、現在新卒と中途割合が50:50)。この習慣は今もあり、今後も大きくは変わらない。だから、SAは、創業当初から、新卒で優秀な人を採用するために、学生ウケがいい事業内容や立地を意識して事業展開してきた(SAは、創業期に資金がない中でも原宿や表参道にオフィスを構えていた)
・創業数年のベンチャーは採用におけるプレゼンスが低く、口説こうとしても、そもそもすごい社員が社内に少ないから口説けない。結論、効率ではなく金・人・時間をかけるしかない(リクルートはこの手間のかけ方が違うから優秀な人を採れる)
・昇格・抜擢は実績ではなく人格を重視する。いかに実績が良くても、人格が悪ければ、昇格させない(現場のまま給与だけを上げる)。人格が悪い人は、組織を安心して任せられないため
・SAは創業数年、人がすぐに辞める会社だった。実力主義を掲げていたが、日本の企業社会に合わなかった。その課題をよくよく考えると、採用に大量のお金を使い、辞められるコストがかかっているため、長く働いていもらうことにお金を使ったほうが効率的だという結論に至った。具体的には終身雇用を打ち出した(長く働く人ほど還元する。家賃の補助金などを、勤続年数によって増加させた)。また、「SAは社員を大切にする」ということを社員にちゃんと伝えた。そう言うと、社員からも「会社を大切にしたい」という愛社精神が出てくることが分かった
・2年ごとに、8名中2名の取締役を入れ替える制度「CA8」がある。これはかなりうまくいった。もともと役員会が若かったから、若手からすると、役員がこの先ずっと居座ると思われ、夢を持てない状況だった。入れ替え制度を作った副次的な効果として、役員がかなり働くようになった(恥ずかしいから、外されたくないという気持ちが働く)
イシンの方から伺いましたが、この講演の後に役員入れ替え制度はなくなったそうです(汗
・(「売上に対して新規事業に投資する割合は?」という質問に対して)業績予想を下回らない範囲であれば投資する
・(「10年以内に消える会社の特徴は?」という質問に対して)会社の調子がいい時に、次の先行投資をしないでさぼっている企業
ステラアソシエもベンチャーの終身雇用は今後取り入れ予定、昇格を人格を重視する人事制度は既に運用中なので、共感できる部分がありました。
前者について、今や1社で定年まで働ける時代ではないのが前提ですが、
一方で会社に長く貢献してくれた人はきちんと優遇するべきだと考えています。
そういった人たちが少しでも増えるよう、終身雇用という考え方は、特にベンチャーに必要だと考えています。
あとは、今後自分がこういったパーティーに招待されるときは、
観客ではなく登壇側にいないとだめだなと思いましたので、頑張ります笑
名刺交換した中で自分より若い経営者は会場で見つからなかったので、そこは励みになりました。